快晴の京田辺市・同志社大学田辺Gは、夏日が続いたここ数日間とは打って変った涼しさで、数多くの熱心な同志社ラグビーファンが詰めかけた。関西セブンズや関西大学・立命館大学戦からの流れから、「ま、関西学院大学には軽く一蹴するであろう。」と高を括った同志社ファンが私を含めて多かった。選手に聞いても「昨年より、かなり仕上がりが早くなっている。」との声が聞かれた。
先行したジュニア戦(B戦)でも、D38:10Kと攻守ともに圧倒していたのだ。関西学院大学Aには、二人力の外人選手もいなく、見た目の体格も同志社と同じくらいで、天理大学のようなあんこ型力士はいない。同志社Aと見た目は同じようなものであるが、展開力は、明らかに同志社が上と目されている。
案の定、キックオフ早々から同志社優位の時間帯。集散スピード、展開スピードが全然違う。当たりも優位で、ダウンボールも実に綺麗である。正直、「こりゃ大差がつくな」と感じた通り、前半、25分には、D19:7Kと実に良い流れであった。
SH原田選手③、SO古城選手③の修猷館コンビが、小気味よく球を動かした。心配していたスクラムも含めフォワードの健闘が光った。
ただ、前半25分以降は、関西学院大学Aのフォワードが盛り返してきて、同志社のペナルティが目立ち始め、関学のペースとなった。特に関学は、意識的にモールを組み試合を支配し始めた。同志社の前へ出る足が、明らかに止まったように思えた。オフサイドぎりぎりで跳び出して来る関西学院に対し、同志社のディフェンスラインの上がりが遅く感じた。この結果、関学の一発突破が多発し始め、前半は、まさかまさかの同点で折り返した。(D19:19K)
後半は、取ったり取られたりの一進一退が続いたが、常に先行したのは同志社であり、一度たりとも後塵を拝することはなかった。特に後半20分以降、関学の捨て身の攻撃が続いたが、同志社フィフティーンは長い長い関学の攻撃を耐え忍んだ。最後の20分間、地道ながら執拗に、そして執拗に防御に徹したのだ。決して出来の良い試合では無かったが、ゴール1本差(2点)といえども勝利を「ディフェンス」で呼び込んだのだ。
点差だけ見れば、同志社の薄氷の勝利と言えようが、私にはまずまず余裕の勝利と見えた。出来が悪いだけに、同志社の伸びしろを感じた。点差以上に実力差はあったのだろうが、何せ、思い切ったディフェンスの上りがないので・・・。
それにしても新しい戦力がどんどん出て来た。頼もしい限りである。この日の先発メンバー一つ見ても、フォワード第一列では、PRの水戸選手③・文選手②。特に文選手は、大心配していたスクラム安定の原動力になった。
キッカーを務めるWTBの山本(翔)選手の活躍も光った。NO.8の斉藤選手②に至っては、レギュラーを獲得した様な勢いだ。怪我かと心配していたLO服部選手③、WTB高野選手も元気に復帰した。
リザーブ組も多種多様な人材。誰がレギュラーを取っても可笑しくない激戦区が目白押しである。AとBの差は、ほとんどないに等しい。こんな切磋琢磨を必要な年の同志社は強い。明らかに競争原理が働いて来た。
現在は、春シーズン真っ最中で、当然のことながらテスト起用が多い様に思えるが、外人選手の様な「核弾頭となる人材」が少ない様に感じるのも事実である。もっとも同志社の採るべき進路は、フォワードバックス一体となった高速の展開ラグビーに他ならない。
外人枠3名のところを「ゼロ」で戦うのみである。幸い冬シーズンの強化を通じ、フィジカル面では長足の進歩を遂げている様に思える。接点で、優位とは言い切れないものの、決して負けてはいないのである。
これが本物かどうか、次の京産大戦、天理戦如何で今シーズンを占うことになるだろう。楽しみでもあり、少し心配でもある。 (F:2018.5.22)
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