超大型台風21号の接近に伴い、近畿地方は雨また雨。朝8時に関西協会から試合開催の可否が発表されると聞いていたが、関西協会HPでは意外にも実行との発表があった。
少々心配しながら大阪の自宅から滋賀県大津市の皇子山陸上競技場に向かった。案の定、高速道路は土砂降りで50キロ規制。2時間経って着いた途端に“中止のアナウンスされること”だけを懸念してノロノロと車を走らせた。
朝早くから、雨は降りに降った。試合中も間断なく降り頻った。少々の雨ではなく、第二試合が始まる前には、芝生全面に水が浮き、かなりのエリアが田んぼ状態であった。マナー違反を承知でそっと芝生に入れば、足の甲まで水で浸かった。雨中のネチネチとしたフォワード戦が予想された。
試合は案の定、大雨中のフォワード戦だ。結論だけ申し上げれば、関西大学が大雨のフォワード戦を予測して徹底的に「フォワード一辺倒」で戦ったのに対し、同志社はフォワード戦に拘ったものの攻め切れず、得意のフォワードバックス一体戦法を併用した点に敗因があった。
かかる大雨下では、バックスに廻す回数に比例してミスが連発することになる。数多くバックスに廻さざるを得なかっただけ、同志社にミス(ノッコーン)が多発した。
同志社バックス陣も果敢に突破を試みるが、水に足を取られ全く走れる環境ではなかった。雨中の戦いと言うより、水中の戦いだったのだ。写真撮影をしていて試合途中で気付いたが、ダウンボールの争奪戦では選手双方の誰もが目を閉じていた。ビール掛けに使うような水中眼鏡が必須の様相だったのだ。
前半は、D5:14Kで関西大学のリードで折り返した。私は、幾らなんでも試合の続行は無理だと思い、隣の新聞社のカメラマンと「再試合する場合は、どういう形になるのでしょうか?」と話し合った。
正にグランドは、もはや試合を続行できる状態ではなかった。恐らく、スタンドで感じるより雨は激しく、ピッチの状態は悪かったのだ。
しかし、主催者は何の躊躇もなく(←としか思えないほど)試合を続行した。大阪では、避難準備の緊急アラームが鳴り響き、自宅を大阪に設定している私のスマートフォンにも届いた。JR湖西線も止まった。今日中に帰宅できるのかなと不安が過ぎった。
後半も、雨又雨。グランドは田んぼ状態。人気番組「IッテQ」の“タイの田んぼ祭状態”である。後半、リードしている関西大学はミエミエニに防御優先に切り替えてきた。大型フォワードが短いパスをどんどん使い、大きなきキックで着実に敵陣(同志社陣)で試合を進めた。リスクをとらず、ものの見事に大雨対策を徹底した。後半25分、早くも関西大学コーチから「あと15分我慢しろ!」との声が飛んだ。
以降、1分ごとに「あと10分だ。我慢しろ!」との声が飛び、関西大学は、逃げ切りに徹した。両校の選手のパフォーマンスは、50%も発揮されることなく試合は終了した。やって(キット)楽しくない、見て楽しくない試合だった。後半の双方ゼロ得点は、それを象徴していた。緊迫した大接戦でも何でもなった。双方とも、雨でパフォーマンスがほとんど発揮出来なかっただけである。
繰り返すが、試合続行は無理だと私は思ったが、(誤解かもしれないが)主催者陣がそれを検討した節はない。この安心・安全最優先の時代に、選手はもとより、観客や運営担当者のリスクを考えていただけのだろうか?試合終了後、大津地区の災害緊急アラームが鳴り響いた。
ワイパーも利かないくらいの高速道をゆっくり走り、私の帰宅は予定より大幅に遅くなったが何とか運良くたどり着いた。同時間に自宅近くで崖崩れ(河川封鎖による道路冠水)により一人の死者(車中)が出たと後でTV報道で知った。想像だが、きっと関西協会には、リスク管理マニュアルなんかないのだろうし、きっと必要性を認識されていないのであろう。結果として事故がなくて良かった。
↑ 前半11分、試合を通じ、唯一の同志社のトライ!(モールからHO平川選手)
以下は、同志社ラグビー応援掲示板に投稿した私の意見です。敗者の遠吠えに過ぎませんが、偽らざる私の心境(あくまで個人的感想)なのでご参考に掲げます。(F)
↑ 大雨で観客もまばら。観客のDRFC会員もいつもの5分の1くらい。暗いので午後3時半過ぎから点灯されたが、それでも暗すぎる雨又雨の暗雲垂れ込む天候。淋しい敗戦であった。
<ご参考>
大雨でグランドは、恐らくスタンドから見ている以上に水が溜まっており、第2試合になると多くのエリアは田んぼ状態でした。
幾らなんでも私は、ハーフで試合中止(延期?)になるのかなと思っておりました。大阪からの高速道路は、往復とも雨で50Kの速度規制、試合中、自宅(大阪)を設定しているスマートフォンからは、避難準備の緊急アラームが鳴り、この試合の後半くらいからJR湖西線も運休した天候下の試合だったからです。グランドは、もはや試合が続行できる状態ではありませんでした。少なくともグランドにいた私には、そう思わざるを得ませんでした。
私のカメラは防塵防滴で専用雨カバーで覆っておりながら、試合中に雨で接触不良のエラーが多発。きっと撮影出来たのは、新聞社が使用している60万クラスのカメラ(本体)と120万クラスのレンズくらいなものでしょう。私は、試合途中で撮影をギブアップしました。
激励太郎さんがおっしゃるとおり、試合続行判断の根拠を関西協会に問いたいものです!
私が近くで見た限り、実際に実行責任を負っている滋賀ラグビー協会が中止可否を検討した節は全くありませんでした。
試合後半の両チームゼロ得点は、拮抗し緊迫した試合の結果でもなんともなく、実効的な試合が出来なかった証左であると私は判断しています。結果として、同志社が雨中のフォワード戦で負けたのは事実でしょうが、私個人としては同志社フォワードを責めることは出来ません。
終盤、残り10分。私は自陣に張り付いた同志社フォワードの必死の抵抗(?)をピッチの直ぐそばで、撮影もせずに見ておりましたが、その表情、特に野中キャップテンの鬼気迫る形相を忘れることが出来ません。
雨中というより水中の戦いで、ビールの掛け合い時に使う水中眼鏡を掛けた方が良いくらいの悪環境下、同志社フォワードは、最後まで全力で戦い抜きました。
負け犬の遠吠えではありますが、あんな環境で試合をしてはならないと強く主張したいと思います。主催者の事務的な事なかれ主義が垣間見えて実に嫌な気分でした。
当然のことながら、関西協会は、安心・安全と言うリスク管理用語をご存知だと思いますが、選手だけでなく、観客や会場運営者を含む全ての関係者に、関西協会は説明責任を果たすことが出来るか、極めて疑問です。きっと知らん振りするだけなんでしょうが・・・。
尚、覆水が盆に帰らないことは、充々承知しております。
↑ グランドは、ずっとこんな状態。水中戦で、水中眼鏡が必要なくらいだ。もはや試合にならない。
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