2017.10.14 殴り合いになれば同志社が優位!立命館を圧倒!

 前節(開幕試合)を落とし、空しく暗いムードの同志社ファン。それでも晴天の宝ヶ池球技場には、多くの観客が詰め掛けた。戦前の(私の)予想は、やや立命有利。前節の天理・立命戦の立命館大型フォワードを目の当たりにしたからである。

 特に立命館のスクラムの強さと当たりの強さは一級品だとだと感じていた。フィジカル強化に力を入れて来た同志社だが、上背・体格の差は傍目にもかなり劣って見えた。

 ファンの最大関心事は、フォワード戦、特にスクラムを如何に凌ぐかにあった。さして強いとも思えぬ関学フォワードに大きく押された同志社、強力天理フォワードと互角のスクラムを組んだ立命館。戦前のフォワードの優劣は誰の目にも明らかだった。

 案の定、試合開始5分、立命館は、敵陣左サイドのラインアウトモールを押し込み、あっさり得点。同志社ファンは「またか・・。」と早くも暗雲が広がった。ペナルティーからラインアウトモールによる被トライ。同志社フォワードが劣後している場合の典型的な負けパターンである。 

 同志社ファンの悲鳴と溜息を背に、関学戦と同じパターンを歩むのかと思われたが、この日の同志社は違った。マイボールスクラムは、ダイレクトフッキングで今年度のルール改正を活かし、NO.8のキャップテン野中選手④が8・9の速い球出しを行い、バックスに高速で球を供給した。

 スクラムこそ大きく遅れを取った同志社フォワードだが、速い集散で綺麗なラックを形成し、SH山田選手④が素早くバックス陣に球を繋いだ。ダウンボールも同志社優位で、被られない分、安定したフェーズを何度も重ねて行った。

 野中キャップテンの顔付きがいつもと違った。鬼気迫る形相で正に核弾頭となり、敵ディフェンス網に立ち向かっていった。いつもと違い(?)、大声で同志社フィフティーンを鼓舞した。

 こうなれば千両役者の同志社バックス陣は、だまっておられない。大外まで廻れば、もうトライを取ったも同然である。(←言い過ぎ!)スピードに乗れば、敵ディフェンス陣をもろともしないWTB鶴田選手(この日先発)が、左ライン際を何十メートルも駆け抜けた。彼がボールを持ったばけで、大観衆が沸きに沸いた。

 一方の右ライン際は、これまたWTB高野選手③の独壇場!総力と次術に勝る両同志社ウイングは、立命館のディフェンス陣を寄せ付けず、度々、大きなゲインと得点を重ね、勝利の立役者となった。

 目立ちに目立った両ウイングであるが、バック陣の最大の貢献者はSOに入った永富選手③であろう。立命館大戦勝利の最大の貢献者と言っても良いであろう。いつもと違いスクラムからの素早い球出しで敵に大きく被られることも少なく、繋いで良し、縦に走って良し、大きく蹴って良し、裏にチョン蹴りしても良しで、同志社の攻撃ラインを柔軟適確にコントロールした。立命館防御陣は、かなり翻弄されたのだ。

 この日、先発起用された高井選手。阿部選手④との軽量CTBが少し懸念されたが、全く杞憂だった。持ち前のスピード、特に縦突進は敵防御ラインを切り裂いた。年柄年中、縦突進に明け暮れるイメージが強いが、しっかりと左右に繋ぐところは繋ぎに徹し、成長したところをみせた。

 試合はご承知の通りの点取り合戦。それ制した同志社が、D64:33Rのダブルスコアで勝利。「殴り合いになると同志社が強い!」前年に聞いた山神(前)監督の言葉である。ネチネチとフォワード戦に拘るより、リスクを恐れず点を取りに行けば、同志社の優位性は揺るぎない。 

 ただ、反省材料は多い。立命館の得点は、(前半2分)ゴール前ラックサイドから2番、(前半17分)ラックからバックへ繋いで14番がトライ、(前半39分)ゴルー前ラックから3番、(後半16分)8番がゴール前スクラムトライ、(後半33分)8番がゴール前スクラムサイドをトライ・・である。実に5本中、4本がスクラムかそれに近い攻防戦でのトライなのだ。


 バックス、特に両ウィングばかりの活躍が目立った試合だったが、同志社フォワードとて負けては負けてはいなかったのだ。HO平川選手③やNo.8野中キャップテンのトライは、一瞬の隙を突いた機動力のあるトライだった。圧巻は、後半36分と攻防である。勝負にほぼ決着が着いた時間ではあったが、同志社フォワードと立命館ファーワードの意地に意地を掛けた肉弾戦であった。(上記写真)

 ここでも野中キャップテンの鬼気迫る顔が印象的だった。徹底的なフォワード戦は、野中キャップテンの意地と根性が勝利をもたらした。

 かくしてファンの溜飲を下げる形で勝負は決着した。スクラムを凌いだ時(マイボールスクラム)の同志社の優位性が実証された。逆にスクラムを支配された時(相手ボールスクラム)の同志社の弱さも露呈した。

 今後、スクラムの強化を継続するにしても抜本的な進展は考えられないであろうから、勝利への課題は、ゲームプラン次第となってくるのであろう。立命館戦の勝利の主因は、リスクを恐れずバックス勝負に撤したところにあるのではないか。

 同志社らしい高速展開ラグビーが勝利への王道であろうが、それを可能とするのは首脳陣のゲームプランとキャップテンのリーダーシップ次第なのだろう。

 それにしてもマイボールスクラムをどうにか凌いでも、相手ボールスクラムを一体どう対応すべきなのか私には思いつかない。技術的なこと(組み方?)とかいろいろあるのだろうが、やはり、リスクを恐れず殴り合い(点取り合戦)に持ち込むことが肝要なのだろう。ま、敵陣で試合を進められれば勝てるのだろうが・・・。(F)

↑着実に長いゴールキックを決めるキッカーFB光部選手。同志社の大きな武器だ!

↑攻守に大活躍のSO永富選手③。攻守全て良しで勝利の立役者だ。当面はSO定着か?


↑待ちに待ったLO堀部選手の復帰!U20後、初先発だ。

↑元ジャパン・仙波コーチのウォーターボーイはもったいないくらい。試合中、選手に適確な指示を直接伝えている。ムードメイクも抜群。伊達にトップリーグの飯を食っていたわけではない。

↑鬼気迫る野中キャップテン。常に「絶対に勝つとの信念」が垣間見え、チームを牽引した。


↑文句なし!当ゲームの「Today’s Player」のWTB鶴田選手。フィニッシャーとしての貫禄充分。この人にボールが渡れば、同志社の勝利に直結する逸材。セブンズジャパン!

同志社ラグビー ア・ラ・カ・ル・ト

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