訳が分からぬ、ジャッカルが高難度プレーって?

懐かしのジャッカル

ジャッカルと聞けば、まず頭に浮かぶのが、そう何十年も前に見た映画「ジャッカルの日」であります。(1973年)

言わずもながフランス大統領暗殺を狙ったテロリストとフランス公安当局との息詰まる闘いを描いた大ヒット作品であります。(ん、ナニィ知らない・・って?)

ジャッカルの名前そのものは、何んとなしに野生の犬だか狼だかの獰猛な肉食動物由来だと聞いたことがあります。

ワールドカップ・姫野選手のジャッカル

確か一昔前にはラグビー用語になかったような気がしてましたが、近年、なんとなしに聞こえて来て、更には先般のワールドカップ2019で姫野選手の試合局面を大転換する「ジャッカル」で一躍注目を浴びる「流行語」となりました。

ちなみに元オーストラリア代表のジョージスミス選手の得意技であり、氏のあだ名がジャッカルだったことにより陽の目を見た用語の様です。まあ、マスコミが作り出した客受け狙いのスポーツ用語の一つなのでしょう。

ラグビーのルール集に記載されてる?

ちなみに日本以外では、単にターンオーバーの一種とされている程度の用語の様です。(外国ではほとんど使われないとのことです。)

当然、正規のラグビーのルール集に記載されている用語ではありませんが、プレーの精悍さや俊敏さ獰猛さを表現する用語として実に象徴的で良いですね~!ラグビー用語らしくない、シンプルでなかなか良い響きの言葉です。(チョット好き!)

ジャッカルの何がどう難しい?

「ジャッカル」は高度で難易度の高い技術で勇敢さを必要とするプレーだと言われていますが、私には今一つ充分には理解出来ていません。(バカボンのパパではありませんが)何がどう難しいのだ・・・? 何で勇敢なプレーなのだ・・・?

「ジャッカル」とは、「攻撃側の選手がタックルされて倒れた時、防御側の選手が立ったまま直接ボールを奪い取るプレー」とされています。

直接奪い取れば、即時に攻守交替いわゆるターンオーバーとなります。ターンオーバー出来なくとも攻撃側のタックルされた選手のノットリリースザボールを誘うことになります。

訳が分からぬ世界へ

ここまでは理屈としては、十分理解出来てるつもりですが、ここからが「訳が分からぬ世界」に突入してしまいます。

タックルしたら大概縺れて攻守双方とも地面に倒れ込んでしまいます。倒れたプレーヤーは攻撃防御双方とも一切プレー出来ませんから、ラックが出来る前(ラック成立前)なら「フォローして来た防御側プレーヤー」が立ったままボールを直接手で奪い取る流れになりますが、この行為がジャッカルなのだと私は理解しています。

攻撃側の選手にボールが渡れば、単にタックルを受けてもボールが繋がった(継続された)に過ぎません。

このタックルからラック成立までのほんの短時間(数秒もない?)に防御側が剛力でボールを奪い取る瞬時の出来事だから、きっとジャッカルは難しいんでしょう?

剛腕でないとジャッカルは出来ないのか?

そう言えば、ワールドカップ当時に姫野選手の成人男子の太ももの様な二の腕を讃えるコメントがたくさん寄せられていました。剛力でないとジャッカルは出来ないようです。(不思議??)

ただ、私に言わせれば、倒れたプレーヤーがボールを離さないから剛力が必要とされる訳で、敢えて言えば、レフェリーはタックルで倒れた(ボールを離さない)選手にノットリリースザボールとアドバンテージを適用するだけの話かと思いますが・・。

ラックの成立前の一瞬の出来事

タックルで倒れた直後からラック成立前の一瞬の時間帯に、防御側が仕掛け行為ですから難易度が高くなるのは良く分かります。

ただ、このラック成立と言うのが、正に曲者なのです。ラック成立の前か後かで天と地の差が出てしまいます。言うまでもなくラックが成立していたら、ジャッカル行為はラック内で手を使った行為と見做され、「ハンド」のペナルティが適用されます。

当時、ワールドカップでの姫野選手のジャッカルプレーを何度か見ましたが、私に言わせればかなり微妙なプレーです。ラックの成立と紙一重の行為で、その意味では勇気あるプレーなんでしょう。

しかし、私などプレー経験の無い者の立場からは、人間って「本能的」にボールを取りに行くのではないかと思ってしまうのです。訓練を重ね、計算ずくで冷静な判断のもとに行われるプレーとは、観ていて到底そうは思えないのです。レフェリーの判断の寛容さ(慣行?)に助けられ、単に運が良かっただけだと・・・。

やはり、「速やかに」問題か?

私は、やはりプレーヤーが「地面に倒れてから、速やかに球を離す時間差(タイムラグ)問題」だと認識しています。この「速やかに」問題こそが、ことの本質だろうと思い込んでいます。速やか・・にが、プレーの「一連の流れ」の名の下に数秒以上も容認されている現実があります。不・思・議・・!

ラインアウトでのリフティングも「誰がどう見てもボールキャッチャーを支えて空中に留めている行為にしか見えないこと」が多発しています。安全のためゆっくり降ろすのとは全く異なります。

ラグビーは、そんな運用が黙認されていることの多いスポーツで、観戦初心者を余計遠のけている感じがします。ルールと実態が乖離したまま運営されていることが実に多いスポーツだと感じております。

ラックの成立時期

また、特にヤヤコシイことに、「ラックの成立時期問題」があります。

ラックとは競技規則第16条に明確に規定されており、➀地面にボールがある②攻撃防御側双方1名以上が立ったまま密集してボールを争奪すること・・・が条件です。

我々爺ちゃんが夜目遠目傘の内の眼で見ると何せ密集で縺れている場面ですから、正直何が起こったのか良く分からないのですが、確かにタックル後、ほとんど一瞬にしてラックが形成されていることが多い様に思えます。

ただし、敵味方双方とも爆速でラックに突っ込んで来ますから、一体全体ラック成立が何時で、その前後に何が起こってるのか観戦者には皆目見当がつきません。

ただ、明らかにラック成立後、ラックの中で結構倒れた選手がごそごそやってる印象があり、私はレフェリーが結構黙認している印象を持っています。

プレーの流れ、ゲームの流れを最優先?

世間の厳しさ故にヒネタ沢庵みたいな発想しか出来ない私に言わせると、タックル時のボールリリースもラック成立時期も「速やかさ」より「プレーの流れ、ゲームの流れ」を最優先し、零点何秒どころか2秒も3秒も、ことによればそれ以上黙認する実態があるように思えてならないのです。

流石にワールドカップラグビーやテストマッチでは、テンポ速く瞬時に判断されていますが、トップリーグ→学生ラグビー→高校ラグビー→小学生のラグビー教室・・となるに従って段々甘~~く甘~くいい加減になっている様に思われます。(←おっと、スルーしてください!)

仮結論

仮の結論を申し上げます。ルール運用が甘いから、ジャッカルを高難度高スキルにしているんだと思うわけです。倒れて(膝を着くことを含む)も球を離さず死守するから、奪い取るのに剛力が必要となるわけです。

少なくとも規則に記載されている文言と実際運用が大きく乖離しています。「速やかに‥」とは、まぁ一般的な日本人なら長くても1秒以内と言う意味の日本語と解釈することでしょう。

ま、変に几帳面かつ杓子定規にルール適用するより、ゲームの流れ、プレーの流れ重視で試合進行運用すべきなのは、試合を観ている方からも歓迎すべきことだと思います。でもちょっと逸脱し過ぎじゃないのと言うのが一ファンの小さな声なのであります。

いや~、今回は結構真面目な内容でした。(感心・感心)

でも全くスッキリしません。こりゃ~余り長生きできませんのぉ~~。でも、ラグビーってややこしくて何とでも解釈できるから結構楽しいんかもしれません。 

                                                                                                                           (文責:F)

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