久方に訪れた同志社大学京田辺キャンパスは、早くも桜や桂が色づき始め、暑かった夏もいつの間にか通り過ぎ、ラグビーシーズン真っ只中の冷涼なシーズンとなった。田辺Gへの坂道、先週の天理A戦惨敗が足取りを一層重いものにしていた。
2~3の選手に話を聞いたが、天理の外人選手のフィジカルは春シーズンよりも相当に強化されており、「天理が全員日本人でやっと互角」・・・と、後の祭りの話だった。
晴天の田辺Gには、いつもの熱心な沢山のファンが応援に来ていただいていた。こんな苦しい時期の応援こそ、本当にありがたいものである。諸先輩方に熱烈感謝!
今シーズンのJr戦は、Aスコッド30人を原則温存(出場なし)して3試合を戦って来た。その結果、先週の近畿大学Jr戦ではまさかの敗戦を喫し、現在2勝一敗である。さすがに今回は、HO奥田➂・NO8.ファイアガラ②・WTB原田➂・CTB芳森④・WTB高野④・FB南野➂の各選手を先発で投入した。何れもAスコッドのリザーブ組であり、Aで先発出場しても決して可笑しくないメンバーである。
一方の龍谷大学、Aリーグに入っていないので、このJrメンバーがチーム最強メンバーなのだろう。当日は、C戦やD戦も設定されていないので、やはり選手層は薄いと判断して良いと思われた。かつてはAリーグの常連校だったが、高校ラグビーの名門校のK監督が就任されてから、日の目を見なくなったのは何とも皮肉なことである。
このようなAスコッドと見紛うばかりのメンバーを揃えた同志社に、もはや死角はなかった。試合開始のフォイッスルから3分もすれば、既に試合の結果は見えた。スピード、集散、当たり、ダウンボール、セットプレーのどれをとっても同志社Jrは、龍谷Jrを凌駕していた。敢えて難を言えば、やはり課題はラインアウトだろうか・・。
特にスクラムの安定は、大きく左右に球を展開する礎になり、イキイキと躍動感・スピード感溢れるバックス展開とフォワードの敵を切り裂く縦突進を可能とした。人に強い原田選手は、いつもと異なるウィングながら、面白い様にライン際の縦突進を決め、この日のToday’s Playerに選出された。(こんなに足が速かったっけ・・)
CTB芳森選手がインサイドセンターに入ったのを初めて見たが、適格な判断、柔らかく正確なパス、背後へのキック、切れの良いステップの縦突進、どれをとっても文句なしである。
WTB高野選手も、正直小柄ながら人に強く、ほれぼれするような強く華麗なステップで、ライン際を走り切る。実に類稀な稀なハイスピードだ!
本当に役者が揃ったものだ。LO小菅選手やFL木原選手の一回生組も大器の片鱗を見せつけた。失礼ながらジュニアリーグクラスで、このようなメンバーが揃えば負けるわけがない。
フォワード戦で勝つことが、目指すべき高速全員展開ラグビーの基礎の基礎であることが良く分かる試合だった。
案の定、D116:0Rで同志社の記録的圧勝!特にゼロ封としたのは、やはり先週の天理戦の敗戦でチームが固く固く締まったものと見た。傍から見るに、少なくともチームに陰鬱な雰囲気はなかった。プレーヤも応援の選手も、あくまで学生らしく同志社らしく前向きでチャレンジ精神に富んでいた。
同志社ファンも久方に留飲を下げて帰路についた。よし!次週の関西学院A戦以降、5連勝するのみである。外人選手が・・・なんて、言い訳する暇は一切ない。
Aリーグ開幕2連敗のスタートだが、同志社の目指すベクトルは正しい!結果が付いて来ること請負だ。
(文責:F)
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