実に難しいラグビー撮影
首記表題から「いえいえ難しくありません。こうすれば簡単!」というテーマかと期待されたなら、残念ながら答えは全く反対になります。
ラグビーの写真撮影、やったことがある方は既に充分お判りでしょうが、そりゃ~難しい・・ですよね。先に結論を申し上げれば、残念ながら簡単に撮れる方法はありません。(あったら、教えて欲しいくらいです。)
私など趣味で10年どころか20年も30年もやってますが、未だにまともな写真が撮れません。特にカッコ良いダイビングトライシーンなんて数試合に一度あるかないかですから、その瞬間のシャッターチャンスなんて自信をもって(?)逃してしまいます。
大向こうを唸らす写真を撮ったことなんて、唯の一度もございません。(←自信を持って言い切れます、ハイ。ううむ、情けない限り・・・)
写真撮影(特に望遠撮影)するとすぐに気付くのですが、選手や球の動きって想像していたより凄く速いものです。カメラのファインダー内で捉えることすら困難な程です。ラグビーを良く知らないと、ファインダー越しではボールがどこに展開されたのさえ捕捉困難です。
そして、敵方の選手が被写体の同志社の選手の前で邪魔になることしきり。防御上、止むを得ぬこととは言え、撮影の妨害となること腹立たしい限りです。→被る(かぶる)って言います。
プロの使ってるカメラは?
だからこそ、プロのカメラマンが存在し、その撮影写真が大きな大会では数万円どころか数十万円で取引されているとのことです。(ホンマカイナ?)
プロのカメラマンから話を伺った限りでは、10万円程度の入門用の撮影機材(←こんなイヤらしい言い方をします)では、まずラグビー撮影は無理だとのことです。況やスマホでは話にならないとか・・・。
プロのカメラマンの使用機材、私が勝手に傍からジロジロ観察したした限りでは、主流はCanonのフラッグシップ一眼レフ(カメラ本体)、更に同じCanonの400㎜(F2.8・F4)~600㎜(F4)の白い望遠用交換レンズです。(撮影枚数のの8割以上で使用してる様です。)
更にトライシーン等の比較的近距離(=中距離)撮影では、上記カメラに70~200㎜(F2.8)の白いズームレンズを使用しておられます。
これらのレンズは炎天下でも使用するので、「白い塗装」が特徴です。白くて大きなレンズって、如何にも高そうで高性能、プロっぽい感じがします。(実際そうです。)
「よお~し、腕は負けてもカメラとレンズくらいは同じものを使っちゃおう」と価格を調べると腰が抜けてしまいます。
馬鹿みたいに高額なプロ撮影機材
カメラ本体が、およそ50~60万円、レンズが望遠で1本80~120万円、中距離ズームレンズで20~30万円です。カメラ本体2台とレンズ2本を揃えると200万円をはるかに超えてしまいます。
実はこれに加え、近距離用に選手・監督のインタビュー写真等の短距離用が必要ですので、これが本体レンズ併せてで30~40万円くらいすると思います。
遠距離撮影 カメラ本体+望遠レンズ →50~60万円+80~120万円
中距離撮影 カメラ本体+中望遠ズームレンズ →50~60万円+20~30万円
近距離撮影 カメラ本体+短距離ズームレンズ →20~30万円+10~20万円
従って、いっちょ前にプロ級の撮影機材で重武装すれば、安くても200万円、下手をすれば300万円近くになってしまいます。プロカメラマンの大半が新聞社等の報道関係に所属していますからまだ良いとしても、独立系カメラマンは大変だと思われます。いくら何でも、お金掛かり過ぎですよね・・!
それから(特にレンズの)図体が大きくて、重いことったらアリャしません。別名、「バケツ」って言うようです。
安いカメラしか使えない・・
而して素人カメラマンにとって、一般的に考えれば高額機器の購入は到底無理&無理と言うことになります。
とりわけ細々と慎ましい年金生活を送っている私のようなものには・・・。(涙)
特に今はデジタル一眼レフからデジタル一眼への切り替えの過渡期ですから、余計話が複雑です。恐らく予算の少ないラグビー部や学生新聞も購入はシンドイと思います。
かくして私ども素人カメラマンは、低価格機材への妥協を強いられることになります。
私の場合は・・
恥ずかしながら不肖ワタクシメのケースを企業機密(でも何でもないけど・・)ながら、話の行き掛り上ご披露いたします。
私の場合、旅行/日常スナップや風景/花撮影が趣味ですから、ラグビー専用機材は望遠のみになります。この結果、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、現時点ではでは家族の目を盗んでラグビー専用にカメラCanonR7、RF100-500(35㎜換算150㎜~800㎜)を使用しています。
この購入価格が50~60万円くらい(絶対内緒!)ですから、悲しく寂しい余生を送ることになりそうです。(これまた涙・・)
初心者は望遠で撮影しないことが重要
特にカメラ趣味のない方は、ラグビーの写真はアップ(200㎜超~の望遠₎で撮影しない方が賢明です。球場全体でのプレーを映すことがポイントだと思います。決してアップ撮影してはいけません。
晴天ならともかく、曇天や雨天・夕方の撮影ではオート(Pモードやスポーツモード等)の撮影では、撮影画像はブレブレで全滅してしまいます。特に望遠で撮影すると歩留まりは極めて小さくなります。少なくともシャッター速度は1000分の1以上(私は可能な限り1500分の1以上で撮影)が必要です。
この使いこなしのスキルがない場合、特に10万円程度の初心者用のカメラでは、望遠は使用しないことが撮影のコツ(ブレ防止)の一つになる思います。
撮影後の大変な作業
プロの方にお聞きした話ですが、1試合の撮影枚数は3000~4000枚に上るそうです。(←個人差が大きいとのことですが・・)その中から最終的に採用される写真は、使途にもよるのでしょうが多くて5~6枚、1枚のことも多いようです。プロとは言え、失敗の許されない大変な仕事ですね。
失敗の許される(?)私の場合、1試合の撮影枚数は連写を駆使するので、それでも2000~3000枚程度になります。私の場合、まともに写ってる写真は全て採用します。(へへへ…)平均すれば、表に出す枚数は一試合で500枚くらいでしょうか。
ただ、その膨大な撮影画像から選び出して現像処理するのがそこそこ大変で、1試合5~6時間くらい掛ります。(結構、大変・・・なのです。)
これも、ひとえに選手本人・ご家族のための青春の記録・・・と思うと、一人感銘し涙する早春の日々であります。(花粉症じゃナイゾ…!)
DRFCは選手・家族用の写真を提供
ラグビー部(MG担当)・同志社スポーツアトム(ラグビー班)と私どもでは、前者が報道用の試合経過やトライシーン、後者(私ども)が選手ご家族用スナップと役割分担しております。同じような撮影目的で、同じ様な写真を量産しても仕方ありませんから・・。
ということは、主にDRFCでは万遍なく出場全選手を対象に撮影することになります。劇的なトライシーンなど一切狙っておりません。(だ、誰だ!写す能力がないからだと言ってるのは・・・)
特に私どもとしては、脚光を浴びるAスコッドのみならず、B以下の選手の皆さんの奮闘の姿を可能な限り多くの試合で提供しようと努力を重ねております。
ただ、なかなか意に沿えぬことも数多く、大変ご迷惑をお掛けして申し訳なく思っています。
(文責:F)
(ご注意)
文中の内容と写真とは、一切関係ありません。
掲載写真は、大學選手権初戦(令和4年12月・花園)の福岡工業大学(後半)です。 以上
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