「北の大地」とは、良くぞ言ったものである。新千歳でも網走でも女満別でも搭乗している飛行機が空港に近づくと、眼下は正に別世界となる。九州でも北陸でも東北でも同じ様な日本風景が広がるのに対し、日本の中でも北海道は別格である。
地平線の彼方まで拡がる広大な畑作地、点在するカラフルな家々。北海道ブルーと言われる透き通るような青空、北の大地にやって来た高揚感に心が弾む。毛ガニ・鮭・雲丹・トウモロコシ・牛乳アイス‥等、新鮮な食材への期待が膨らむ。
北見は、(戦前)世界生産のほとんどを占めたと言う「はっか」が有名だし、古くから北海道では珍しく米作地でもあった。内陸部(盆地)に位置し、オホーツク海に隣接するサロマ湖には優に1時間以上は掛かる。
人口が12万人少しだから決して大きな街ではないが、デパートや飲み屋街も抱える洋風の如何にも「北海道らしい綺麗な街」である。
網走市の人口が4万人弱だから、北海道東部(道東)の中核都市と言えるのだろう。私が見聞きした限りでは、もっとも「北の大地」に相応しい地域である。現在は、豊富な穀物の集積地であり、道東の行政の中心地でもある。
現在の北見市の「売り」は、「焼肉の街・北見」である。食いしん坊の私は、アトムの学生さんと6~7店は訪れたが、味覚園総本店が断突で味・値段とも言うことなしだが、2~3日前に予約を入れないと到底ありつけない超繁盛店でもある。更に「トリトン」と言う超有名・美味格安回転寿司の発祥の地である。
閑話休題、肝心な話に・・・。同志社大学ラグビー部が夏合宿を開始して何年になるのだろうか。北見市や網走市は、町おこしの一環として市を挙げてラグビー部やサッカー部の夏合宿誘致に取り組んでおり、昨今、大学・社会人を問わず道東で合宿するチームも増えて来た。
当然のことながら、菅平等とは夏の涼しさが桁違いであり、宿泊やトレーニング施設も充実しており、練習環境は抜群である。ただ、まだまだ有望なチームの多くは菅平を選択しており、問題は練習試合を組みにくい点である。
私の様に灼熱(?)の大阪に住む人間には、真夏と言えども北見の朝晩は、寒いくらいである。ただ、昨今の異常気象の下、北見とて真夏は結構気温が上昇し、30度を超えることが当たり前になって来た。もっとも湿度が低いので過ごし易いのだが、体調を崩す選手が続出し易いとも聞いた。
合宿地の北見モイワスポーツワールドは、北見市の中心部JR北見駅から西へ車で20分と言う触れ込みだが、どう考えても30分は掛かる。遠い~~!
最寄りの石北本線相内駅からは徒歩15~20分。2時間に1本くらいしか列車もないから、選手が練習に耐えかねて逃げ出そうとて逃げ出しようがない。合宿地の周りは、畑また畑(遠くに山)。コンビニに行くにも徒歩で片道20~30分は掛かると言う「練習にはもってこい」の立地である。焼肉屋やラーメン屋など徒歩なら1日がかりの場所にしかない。
ただ、眼にも染み入るような4面の青い青い天然の芝が完備されており、羨ましいくらいのインフラがある。宿泊施設のコテージや食堂のあるセンターハウス等、一見、別天地に来て(観光なら)思わず浮かれてしまいそうな建物である。練習相手や試合数を除き、文句のつけようがない環境がそこにある。
例年、近隣地で合宿している法政・東海・筑波の各大学Aチームと練習試合を行うのが慣例であり、とりわけ合宿の最終第階で実施する東海・筑波との試合が秋シーズン本番を占う試金石であった。立命館も同時期に当モイワで合宿しているが、双方手の内を晒したくないのか、スクラム練習程度しかやらないのが慣例の様である。
ところが、ワールドカップを控え変則シーズンとなる今年度は、筑波が北海道合宿を取り止めたので、注目すべき練習試合は、8月17日の東海大戦一択となった。この一戦だけで全てを占うのは何とも心もとないが、DRFC会員や選手のご家族の皆様は大いにこの一戦に注目していただきたいものである。
ここ7~8年、毎年DRFC特派員として北見を訪問している私ではあるが、お盆を避けて17日に札幌入りと言う最悪の選択(6月上旬予約)をしてしまった。航空機のお盆料金(往復)9万円なんかとても出せない。東海・筑波戦日程の読みが完全に外れて17~26日の道東旅行、一体何をしに北の大地に行くのか悩みに悩む日々である。
ま、東海大戦完全勝利を手土産に、「兵どもの夢の跡」を(合宿終了後に)訪れるのもなかなか乙なものじゃぁあ~りませんか。(←冷静に考えたら極めて馬鹿らしいが、10日間、行くことないので・・・涙) (F)
(注)写真は、昨年・一昨年の北見合宿風景です。
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